スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

日本に多い「自称ダンサー・実はフリーター」②

最近は、小・中学校の受験などのタイミングで
バレエを辞めてしまう子が沢山います。


バレエ関係者としては少し複雑な思いですが

 

正直なところ
「うん、辞めて良かったかも」
と思ってしまう自分もいます。


 

 

 


「いやいや、お宅の子相当の天才児だよ!
私が責任を持って将来必ずプロの
バレエダンサーにしてみせます!!!」

 
と胸を張って言えないのであれば
指導者は彼らを止めることはできません。

 

この決断や考え方が正しいかどうかは
10年後にならないと分からないかもしれないし
10年後になっても分からないかもしれません。

 

しかし親や指導者としては
「子供/教え子がバレエを真剣にやっていたおかげで
最終的にフリーターになってしまった」


なんて事実は御免です。

 
 

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もちろん一か八か
世界有数のバレエ団に入って
プロのダンサーとして活躍してくれたらと
願う親もいるかもしれませんが

 


さすがに21,22歳になっても
特に目立った功績も無く
ひたすら地元の教室のレッスンを受けたり
団費を払って国内のバレエ団に所属し
自身がコンクールに出たり
指導のアルバイトをしたり
というようでしたら 


これからプロを目指すというのは
その夢はちょっと無理があるかもしれません。

プロって、毎月給料が支払われる
海外のバレエ団員になるということです。

 

 

 

お笑い芸人のように
40歳近くになってようやく
急にブレイクし始めた。

「ここまでやってて良かった!!」
なんてことは
残念ながらバレエダンサーでは


ありえません。

 

 
選手生命の短いダンサーは
残念ながら22歳頃までに
何も結果が出せなければ
(就職が決まらなければ)
違う道で自立する方法を探し始めないと

そのままずるずるとフリーターになってしまう
可能性が高いでしょう。

 

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バレエ界からの目線での問題点として
1つ言わせて頂くと


このような人達ばかり増えると
「良い後輩が育たない」
と私は考えています。

 

 

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将来バレリーナになりたいと夢見るキッズや
その夢を応援したい(バレエを仕事にさせたい)
と考えるその親は、
こんな先輩フリーターを見て
本気でバレリーナに憧れるでしょうか?

 

  

小さい子供・そしてその親は普段
海外のバレエ団で活躍している
本物のダンサーなんて見る機会はありません。
せいぜいバレエ雑誌などを見て
華やかな世界に憧れを持つ事はあっても


実際に毎日見るのは
近所のバレエ教室のお姉さんか先生くらい。
彼らの生活、バレエに向き合う姿勢などを見て
知らぬうちにかなりの影響を受けているでしょう。

 

国立のバレエ学校へ通い
本物のバレエに触れ
プロの厳しさ、意識の高さを目の当たりにするのと

24歳にもなってもアルバイト生活
地元の教室でレッスンを受けている
趣味レベルのダンサーを見るのとでは当然
子供への影響が全く違うという事です。

 

少なくとも私は
後者を見て育っても良い後輩は生まれない
と思っています。

 

 

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身近で憧れるお姉さんが
実は良い大人になっても
実家暮らしですねをかじって生活していると知ったら・・
プロだと聞いたのに実は団費を払って所属していて
公演ごとにチケットノルマがあると知ったら・・


それはそれはがっかりするのではないでしょうか。

  

 

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これは個人的にいつも思うのですが

 

大量の時間とお金を費やすほど
バレエに情熱があるのに、それが
絶対バレエで自立するんだ!
という根性やプライドに変換されないのは


すっごく不思議なところです。

 

 

「よーし毎日レッスンして上手になって
そんでもってコンクールで上位入賞するぞ!」
は、THE 学生の考え方
ではないでしょうか?

 

これが16歳のダンサーなら応援します。
普段はOLをしているけど
バレエが大好きで趣味で頑張っている。
という人も応援したくなります。

 

一般就職もしていないのに
踊っている自分に酔っているいい大人

 

あなた・・・ただのニートですよ!

 

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私の友人に
バレエを本気で頑張っていたけど芽が出ず
踊る事を辞めた人がいます。

 

彼女は辞める時
これ以上親に迷惑はかけられない。
自分には実力が無かったから仕方が無い。」
と言いました。

 

彼女は元々真面目で勉強もきちんとしていましたし
地味でお金の使い方も賢い子でした。

 

しかし結局彼女は
国内大手企業に見事就職し、今でも活躍しています。
立派なキャリアウーマンになった彼女を
バレエの友人として誇りに思います。


彼女は親に甘えることなく自立する事を選びました
きっとその強い意志やバレエで培った集中力、忍耐力、
努力することの大切さや感謝する気持ちがかわれ、
次に繋がったのだと思います。

 
もちろん、バレエは趣味で続け
今でも素敵なスタイルを保持していますよ!

 

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彼女のように
自分のバレエの実力を認め
気持ちを切り替えて努力し
見事一般就職出来る人もいれば

 

ずるずるとバレエを続け、最終的に
「バレエ教室開こうかな!」というパターンも。
これがまた1つ、中途半端なバレエ教室を増やす
原因になります。

 


詳しくは バレエを知らない指導者、バレエしか知らない指導者

も合わせてご覧ください。

 

 

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あなたの周りにも
バレエは学生時代に辞めて(又は趣味にして)
今は一般就職をしている、という人もいるでしょう。


「あたしは諦めちゃったけど、○○子はまだ踊っててすごいね!」
と言ってくれるのではないでしょうか。

 もちろん、心から尊敬の意を持って言ってくれる人もいるでしょう。


しかし中には
「いやいや・・・そろそろ現実見て働けよ
と思っている人もいるかもしれません。

 

そんな本音を言ってくれる友達がいたら良いですね。

 

 

 

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学業を差し置いてまで
今までこんなにバレエに時間とお金を費やしてきたのに


「結果フリーター」
なんて非常にもったいないです。

 

 



自分の実力の無さを認めるのは勇気のいる事

 

でも、
みんながみんな好きな事ばかりやって
働かなくなって、税金を納めなければ
国・社会は機能しません。

 

 

 

 

皆さんが
客観的に自分を見直すきっかけになればと思います。

 

 

 

 

それでは。