スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

海外のバレエ団を目指す皆さんへ

  前章の
「日本のバレエダンサーの厳しい現実」
でも少し触れましたが

 

海外と日本を比べた時
バレエ環境、バレエ教育
バレエ団事情は大きく異なります。

 

 

 

 

海外のバレエ団の多くは
教えやその他のバイトなどをすることなく
ダンサーとして舞台に立つ事だけを
仕事とし、生活している人は
多くいます。

 

 

国立や州立のバレエ団は
国や州から守られていますし
大きなスタジオ、大きな劇場
安定した収入やビザサポート
一流の経歴を持ったディレクター、
バレエマスター・ミストレス(クラスやリハーサル)
マネージメント(事務等)、フィジオ(メンテナンス)スタッフ
契約しているオーケストラ団体等、施設や環境も整っています。

 

もちろん政府公認ともなれば
信頼度も大きく、スポンサーも付きますし
メディアへの露出も多いでしょう。
ダンサーにとっても
その後のキャリアに大きく影響します。

 

 

 

 


ロシアやヨーロッパ諸国は
バレエやオペラなどの芸術が国によって守られ
こうしたバレエ団が多く存在します。
ダンサーは国家公務員扱いとなるところも多く
現地の人たちにとっては
それが当り前なのかもしれませんが
先ほどの日本の環境と比べると
本当に夢のような話です。

 

 

  

だからみんな一度は海外を目指すのですね。

 

 

しかし
日本人だけでなく誰もが憧れる世界ですから
当然競争率は激しく
世界中からの限られた優秀な人しか
このようなバレエ団への入団は許されません
 

 

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美しいバレエの世界ですが
ダンサー一本で食べていこうと考えるなら、
プロの世界は「夢」だけでは難しいでしょう。

 


相当な技術、安定感、
プロポーション、努力、
本番の強さ・度胸はもちろん、
タイミング・運や家族の協力、
怪我をしないこと、客を呼べるだけの魅力
諦めずに挑戦し続けられる強いメンタル
コミュニケーション能力(英語力) 等
様々なものが求められます。

 

 

 

 

 

 バレエを仕事にしたいなら
あなたにもその覚悟があるか
一度自分の胸に聞いてみてください。


自分に実力があるかどうか知りたい方は
まず海外の老舗バレエコンクールや
現地のバレエ団オーディションに参加してみてください。
世界の壁というものが嫌というほど分かりますよ。

 


海外のバレエ団でお金を頂いて生活出来る人なんて
本当に一握りの実力と根性がある人たちだけです。


そうでない場合、
海外のレベルを見ると意外とさっぱり諦めがついて
「あ、自分のレベルはこんなものか。
さっさと日本に帰って就職しよう」
と思うかもしれません。

 

 

 

今の時代
バレエ団オーディションはメールででも出来ますが
履歴書審査を通ればどっちにしろ現地に呼ばれます。
実際に一度現地に行って
自分の目で世界を見てみるのも大切な経験です。

「踊ることで、十分なお金がもらえない」
という日本の現状に満足していない方は
思い切って挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

 

応援しています。

 

 それでは