スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

バレエ教室の主宰者とアシスタントの関係

ベビーシッター扱いなのか
若いアシスタント(学生)に幼児クラスを任せる
教室があります。

 

クラスが多くなると
主宰者一人で全てのクラスを教える事は難しいので
アシスタントを雇うこと自体
何もおかしい事はありません。

 

 

しかし問題は
そのアシスタントは何者なのか
という点です。

 

子供を預かる責任と自覚、
また保育士などの資格を持った方なのでしょうか?

 

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多くは指導者の教え子。
「小さい頃からここで習っている」
という感じでしょうか。


その点、教室の方針や教え方は
統一されていますし、
信頼感もあるので良いのですが

 

 
彼らの実態は
普通の大学生だったり
または
バレエ団に入れず実家暮らしで
飲食店などでバイトをしながら
空き時間に地元のバレエ教室で
アシスタントをしているフリーター

という場合が多く

 


しかも多くは
所属しているバレエ教室と雇用契約を結ばず、
現金で報酬を得ている
といったケースが多いでしょう。


自分もクラスを受けたいので
月謝を払う代わりに教えをする
という交換条件でやっている人も。

 



就職もせず
「バレエ大好き!先生の言う事ならなんでも聞きます!」
という子が
良い大人になっても先生の元に残っているわけなので

 

口約束だけでの雇用関係には
何の疑問・違和感も持たないのでしょう。

 

 

 

主宰者としても
面倒な契約や安定した支払いの保証をしなくて済むし
「ちょっと○○ちゃん、明日クラス代わって!」
なんてことがあっても
なんとか予定をこじ空けてでも
先生を優先しようとする教え子は
使い勝手も良く、都合が良いでしょう。

 

 

 

まぁ主宰者自体が
特に経歴も常識も無い場合は
このような流れになるのは
無理もないかもしれませんが。

 

 

果たして
これできちんとした「講師」
と言えるのでしょうか。。。

 

 

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一方で
教室自体を「株式会社」にし
教師やアシスタントを「社員」として
雇用している所もあるようです。

 

 

社員となり契約を結ぶと
それなりに制限も出てきます

 

この教室以外で働いてはいけないとか
外部の講習会や舞台に参加するときは許可を得る事
バレエ以外の規則など
いろいろあると思います。

 


でも、
社会に属するとはこういう事ですよね。



そしてその変わり
-法律で定められた最低賃金(支払い)が保障される
-万が一怪我や病気で休む事があっても安心
-社会的地位もでき、国に貢献できる


というようなメリットがあります。

 

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しかし国内の自称ダンサーは


社会貢献とかどうでもいい
今はとりあえず大好きなバレエが優先。
色んなところにいい顔して、
好きなところで踊って好きなところで教えたい。
規則とか責任に縛られたくない。
何か見つかれば割のいいバイト先でも働きたい

自由でいたい


というような考えを持つ
傾向にありますから

 


縛られる(守られる)ことより
フリーターとしてふらふらするのを好みます

 

 

 

 

だから
「使い勝手の良いアシスタントをキープしたい教室主宰者」と
「自由でいたいフリーター・アシスタント」との
口約束の雇用関係が上手く成り立ち
まさにwin-win状態。

 


日本ではそれが普通になっているのでしょう。

 

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幼児や小学校低学年くらいまでだと
確かにまだ難しい事は出来ません。

 

しかし、バレエの動きは全て
正しい動きを繰り返し、筋肉に覚えさせることで
少しずつ身に付けていくもの

小さい頃に習った基礎やポジションは
その後のバレエ人生の基盤となります。

 

つまり、この大切な時期に
「バレエやってます」程度の
何の責任感も無い学生やフリーターの若者に
幼児クラスを任せている主催者は

 

バレエを舐めている素人です。

 

  

 

お金を頂いている以上、教室側には
子供に価値ある技術を伝承する義務があります。

 

子供が少し大きくなって
「もっとバレエが上手になりたい。真剣にやりたい」
と言いだし、やっと本格的な教室に移籍しても

 

「前の教室でどんな指導を受けてきたんだろう」
「この間違った癖を直すには相当の時間がかかりそうだ」
「基礎がめちゃくちゃの問題児がやってきた」
「可哀相に」
というのは実際バレエ関係者から良く聞く話しです。

 

変な癖や間違ったポジション・筋肉、知識は
一度身に付けると
直すのは本当に本当に大変なことなのです。
そんなことならむしろ、バレエをやった事の無い
まっさらな子の方が早く上達するでしょう。

 

何より
正しくないバレエと知らずに
一生懸命稽古していた本人が一番可哀相。

 

 

このように
何も知らない保護者を裏切り
子供の心を踏みにじるような行為は
あってはなりません。

 

 

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レオタードを着て
クラシックバレエの音楽を流して
なんとなくバレエ風の動きをしているだけなら
今すぐバレエ教室の看板を下げるべき。

そんなに子供が好きなら
託児所にすれば良い。 

まぁそうなったら何かしらの
資格や免許が必要になるでしょうから
面倒ですよね。

 
そう考えると
バレエ教室は本当に都合が良いと思います。
無免許で誰でも開き放題なんですから。

 

面倒な事は避けたい
なるべく安く人を使いたい

 
こんな考えの人が
子供達に正しいバレエを教えられるでしょうか?

 

万が一クラス中に事故や緊急事態が起こったら
どうするのでしょうか?

 

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何を伝えたいのかというと


なんの契約も責任も無い人間
子供を教えるのを当然とする流れ


そして
バレエ教師=フリーター(バイト)
という流れを次々と生むのを
やめてもらいたいのです。

 

 

バレエは仕事にならないという事実
自ら広めないでください。

 

 

 

むしろ逆ではないですか?

 自分の可愛い教え子なら
「バレエ教師・アシスタント」を
責任のあるポジション・仕事として与え、


立派な社会人として自立していけるよう
サポートに努めるのが筋ではないでしょうか。


バレエは仕事にならないと知っていながら
その事実を伝えずに
次々にバレエ難民/フリーターを生み出すのは
素晴らしい指導者と言えるのでしょうか。

 

 

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可哀想な事に
「教え子アシスタント」は
信者のように指導者を敬う人が多いように感じます。

古いバレエ界の習慣でしょうか。
師匠の言うことは絶対です。


アシスタント歴は長くなればなるほど


「先生は私を頼りにしてる!」
「いつか後継者にしてくれるかも!」
という使命感や期待にかられるようになり
ますますのめり込んでしまいます。

 


たとえ低賃金でこき使われて
すでに洗脳されていたり
他に行く場所も無いし

それを違和感と捉えるどころか
心地が良いと感じているため
自分ではなかなか気付きません。

 

気が付いていても
今さら感もあり、諦める人もいるでしょう。

 

 

ところで
そういう人の親や周りの友達などは
「そろそろちゃんと就職したら?」
と言ってくれないものなのでしょうか・・?

 

 

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 主催者として人を雇う立場にある方

アシスタントとして低賃金で奉公している方

 

 

少しでも考え直すきっかけになればと思います。

 

 

 

 

バレエ界のおかしな常識
気が付く人が増え


バレエ(ダンサー・教師)という特殊技能が
日本でも立派な職業として
成り立つ日が来ますように。

 

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それでは。