スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

自分のレッスンを動画に撮って見てみよう。

 

あなたの膝はしっかりと伸びていますか?


自信を持って「はい」と言える人
いつも注意をされるので自信のない人
考えてみると「よくわからない」人

様々でしょう。

 

 


しかし
自分の「伸びている感覚」と
「実際に伸びている」は違うこともあります。

 


以前テレビの健康番組で
「目を閉じて両手を横にまっすぐになるように
平行に上げてください」というエクササイズをやっていました。


バランス感覚の悪い芸能人は、目を開けてみると
ずいぶん斜めになっていてびっくり。
下がっている人もいれば、上げ過ぎも人も・・・
なんていうのを見かけました。


自分では真横に出していたつもりでも
自分の思っている感覚と実際の身体の感覚が違う
ということが起きているんですね。

 

プロのダンサーやスポーツ選手にとって
自分が頭の中で考えていることを
どれだけ正確に動かせるか、
身体を自由にコントロールできるかが鍵です。


そのため
本番前にしっかりイメージトレーニングをして
スムーズな流れや成功を頭の中で思い描く作業は
とても大切・有効です。


 

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普段から膝をよく注意される人は
自分では気を付けているつもりでも
何故か注意をされてしまうということですよね。


つまり
実際には自分が思っている以上に伸びていないということです。

「自分が "やっている"と思っている事」と
「実際に出来ている事」
そこにどれだけのギャップがあるのか、
まずはそれを知ることが大切です。

 

 

しかし、人に言われるだけでは
なかなか自分の癖は直らないものです。
先生に注意されているまさにその時は気を付けているからです。
鏡をふと見るとちゃんと伸びていたり・・・
「今気を付けていたのに、どこが悪いんだ!」
という気持ちも出てくるでしょう。

 

しかし「癖」というのはふとした時に出るので、
自分では気付き(意識し)にくいんですね。


そんな時は、
自分のレッスンの様子を客観的に見て研究するのがお勧めです。

「え。自分が踊ってる動画なんてもう何回も見てる」
という人もいると思います。
まあ聞いてください。

 

 

私が皆さんに見てほしいのは、衣裳を着てメイクをして
舞台でヴァリエーションを踊っている動画では無く、
日常のレッスンの様子です。


普段のレッスン又は自主練習時間に行うレッスンの様子を
ビデオに撮れるチャンスがあれば
是非先生の許可を得てやってみましょう。

 

そしてその動画を
先生、またはお客さん、オーディションの審査員
などの気持ちになって
自分を客観的に見て評価してみましょう

果たして自分の踊りは
「基礎が正確で安心して見ていられる!」
「思ったように動けている!」
という踊りでしょうか?

 

 

・・・
なかなかそう言う人はいないと思います。
「いつも言われてるのはこのことか・・・」
「うわぁ・・・脚がおかしな角度に出ている。これはひどい
「肩は上がってるし膝は緩んでる・・・見ていられない」
「疲れてくると、つま先もターンアウトも緩んでいる・・・」
「変な癖がある。直したい・・・」
と、ショックを受けることでしょう。

 


でも
これが大切なんです。

 

 

人は心理学的にも、他人に指図された事より
自分の意思で目標を立てた方が
やる気が出て、行動に移しやすいと言われています。

 

ちょうど「よし。部屋を片付けよう!」と思っていたのに
お母さんに「部屋を片付けなさい!」と言われたとたん
急に片付けたくなくなった、という経験はありませんか?

同じ事なのです。

 

特に思春期。反抗期です。
先生や親に言われることに対しては
心のどこかで反発したいという気持ちがあるので
悪いと思っているところがあっても
無意識のうちに、素直に直せていないのかもしれません。

 

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隠したり誤魔化したりできない
普段行っているレッスン(バーとセンター)の様子を
レオタード一枚で、真正面と真横からビデオに撮り、
それを大きな画面で見てみましょう。
また先生と一緒に見てもらうのも良いでしょう。

 


ここでの目的は「素敵なメモリアル動画」
を撮る事ではありません。
盛ってインスタにアップする為でもありません。

 


普段の自分をさらけ出し、自分の悪い所をしっかり見て
「これじゃ全然ダメだ・・・」と反省しショックを受け、
更なる上達に役立たせるのです。
とても人に見せられるような動画では無い、というものほど
直さなければならない部分、やらねばならない事が見つかり
課題や収穫が沢山あるということです。


見るにはスマホだと少し画面が小さいかもしれません。
また、レオタード一枚で撮りましょうね。
見るのは自分だけか、いつも見てもらっている先生なのですから
そんなに緊張する事はありません。

 

 

画面に映る自分としっかり向き合い
反省点をメモし、何がどう気に入らなかったのか
どうしたら改善できるかを考えましょう。

 

 

 

撮影時には
場所、レオタード、振付、撮影の角度等を
毎回同じ条件にすると
定期的(3カ月~半年に一度)にビデオを見たときに比較しやすく
上達した箇所を確認しやすくなります。
今後のレッスンの励みにもなるでしょう。

是非今度トライしてみてくださいね。

 

 

 

 

それでは。