スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

バレエダンサーの身体の条件 【ターンアウト】

今回は久しぶりに
バレエにつきない身体の悩みシリーズ
【ターンアウト編】です。


お教室によっては、アンディオールという所もあるでしょう。
いつも言われる「開きなさい」のアレです。

ターンアウトはバレエを語る上で欠かせないので
もちろんスワニルダのブログでも何度もお話ししていますが

人によってしっくりくるポイントが違うと思うので
色々な言い回しや例え、伝え方で解説しています。

今回は「人の振り見て我が振り直せ」
意味:他人の言動のよしあしを見て自分の振る舞いを反省し、直すべきところは改めよという教え


この観点から自分のターンアウトを見つめ直していきましょう。

 

 

 

 

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いろんな生徒を見てやっぱり毎回思うのは
きちんとターンアウトの重要性や仕組み
理解している子は少ないな~ということ。

出来る、出来ないはまた別の問題としても

ターンアウトはバレエを美しく踊る上で絶対必要なものだ!
自分はまだまだ出来ていないんだ!

と言うことに気が付くことができれば

口ポカーンとか、目線が定まっていない状態でレッスンをする事なんて
本来不可能なんです。が。。。


簡単そうに、さらさら~とバーレッスンしている子を見ると
「あらー先生どうしちゃったのかしら?」と本当にびっくりします。

そして同時に
「お金と時間と努力を無駄にして可哀相に・・・」と同情します。



ここなんです。
欧米人に比べて明らかに身体の条件の悪い日本人が
ロシア・ヨーロッパの文化であるバレエを踊るのに
なんとなく見よう見まねでやって
綺麗なポジションを身に付けられるわけが無いんです。

タンジュ1つやるにも全神経を集中させてやらないと
美しくないんですよ。


例え習い事レベルに留(とど)めるとしても
日々のクラスをボーっとやるのは
非常にもったいないなと思います。

 

 




・・・とここまで読んで
あなたは今のことを自分事として捉えられたでしょうか?
もしかしたらあなたもこのタイプかもしれないのです。

レッスン中の他人への注意を自分事と捉えられない人は、
まさに自分がそうなっていることにも気付かないので
直しようがなく、結局気付かずに終わるか上達が遅いのです。


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実際に自分のターンアウトがどれくらいできているのか
客観的に知るのはなかなか難しいかもしれません。

なので私は他の記事でも、
自分の稽古の様子を定期的にビデオに撮って見ることをお勧めしています。


欠点を誤魔化しやすい衣裳を着て
肝心な部分が遠すぎて見えない舞台上で
何度も練習したヴァリエーションの動画ではダメです。

そうではなくて、
スタジオで、レオタード一枚で、普段のバーレッスンとセンターレッスン
包み隠さずありのままの様子を撮影し、それに向き合うのです。

これは結構恐ろしいですが、
ショックを受けて始めて「これはひどい・・直さなければ」
と心の底から思うことが出来るので、上手になりたければおすすめです。

先生にとってはいつも見ているあなたの姿ですが、
自分の横で一緒に映像を見てもらい、
いつも受ける注意について改めて指導を受けるのも良い方法です。
先生を独占できるなら是非協力して頂きましょう。


自分の顔を見るのが嫌だと言う人もいるでしょう。
そのような人はとりあえず、首から下だけが写る用に撮影しても良いです。
そうすると恥ずかしさを捨ててより冷静に
そして客観的に(自分ではない誰かを見るように)
踊りを分析できると思います。
あらが見えやすい真横からなど、撮影方法も工夫してみてください。

 

参考記事

自分のレッスンを動画に撮って見てみよう。 - スワニルダのバレエライフ blog

 

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次は、最初に紹介した
「人の振り見て我が振り直せ」のことわざ通り
周りのお友達をよく見てみましょう。


普段から無意識にでも周りを良く観察していて
人の良いところや悪いところに気がつける人はいませんか?

例えば
「Aちゃんは5番がしっかりポジションに入っていて綺麗だな」
これくらいは見た目の話なので分かると思いますが、
ではなぜ綺麗なのか考えてみましょう。

 

5番がしっかり入る、と言っても
膝が曲がっていたり、お尻が出ていたら意味がありません。
太ももも膝も横を向いていないのに両足が90度近く開いていたら
それは足首だけ無理矢理ねじっていることにもなります。
Aちゃんはどうでしょうか?


これらが全て正しくできているとしたら
Aちゃんはターンアウトがしっかりできていると言って良いでしょう。


お次はBちゃんのタンジュ。
前のタンジュは甲が前を向いていて、つまりかかとは下を向いているので
真横から見るとかかとがよく見えます。
甲が前を向いていると言うことは、そのまま足を戻すと
1番ではなく6番ポジションになりますよね。

なぜこうなるのでしょうか?
理由は、ターンアウトが全くできていないから、と言えます。

股関節、脚の高い位置から脚が外を向いていないので
膝も足首も外に開かなくて(横を向かず)むしろ当然です。

このタンジュを見て素直に「綺麗じゃない」と思えば
果たして自分は出来ているのか?も気になりますよね。

ターンアウトが出来ていた方が綺麗なんだ!
自分で改めて気がつくこと
先生に毎日ガミガミ言われすぎて聞き流してしまうよりも
はるかに効果があります。

バレエのレッスンは基本同じことの繰り返し。
注意する事も大体決まっています。

つま先伸ばして。膝伸ばして。開いて。肩下げて・・・

これらはレッスン音楽と同化して
もはやBGM、もしくはお経(お寺の)みたいになってきてしまうんですよね。
「もう全部知っているよ~」となってしまうんです。

知っているだけで出来てはいないのですが。




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 ターンアウトを例にとりましたが、
バレエ、レッスン全般に対する「姿勢」「考え方」に関して共通する部分です。

 

関連記事として、こちらも是非一緒にお読みください。

問題は、今開かない事ではなく 開かないままにしている事。 - スワニルダのバレエライフ blog

 

自分を客観的に見たり、
周りのお友達を是非注意深く観察してみてください。

良いところは素直に真似て近づけるようにし
悪いと思ったところはわざわざ本人に言わなくてもいいので
他人の心配をする代わりに
自分も同じようになっていないか自分自身を見つめ直してみましょう。

 

 

 

 

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今後のレッスン、上達のヒントになれば幸いです。


 

それでは。