問題は、今開かない事ではなく 開かないままにしている事。
ターンアウトとは
股関節を外に回して開く動きですが
これは力づくで行うものではありません。
日本のバレエ教室では
生徒のターンアウトが不十分であっても
日々のレッスンはどんどん進みます。
その状態で
「1番をもっと開きなさい」と注意する先生もいます。
それで、言われるがまま
足元だけ無理矢理開こうとするんですよね。
これによりお尻が出て
膝がねじれ、土踏まずが潰れる。
それを隠そうとさらに頑張り肩があがる・・・
こういう人本当に沢山います。
これ残念ながら、
頑張る所が違います。
このように、一度
「負のループ」に陥(おちい)ってしまうと
なかなか抜け出すのは難しいのです。
そこでこの章では、
この負のループを抜け出すきっかけの一歩になればと
「まずは自分のターンアウトの可動域を知ろう」
というテーマで、
簡単なミニテストをして頂きたいと思います。
この写真はスワニルダ本人の足です。
私は匿名希望なので自分の写真は載せたくなかったのですが
「で書いてるお前はどうなんだよ」
と、読者のみなさんが疑問を抱くと
記事の説得力に欠けると思い自撮りをしました。
完璧ではありませんが
以下で説明するエクササイズの
参考として載せておきます。
さて
ではまず床に座り、両脚を前に出します。
チェックポイント
-左右の肩と腰は平行に
-膝はしっかり伸す
-足首はフレックス(直角)に
-背筋を伸ばし、リラックス
この状態になったら
股関節からターンアウトしてみましょう。
注意点
-ももの外側に力をいれない
-どちらかのおしりが浮かない
-手で床を押さない
コツ
リラックスした状態で、
左右それぞれの股関節を
ぐるっと外に回す(開く)イメージ。
いかがでしょうか?
どのくらいの角度開けましたか?
股関節が柔らかく
ターンアウトがしっかりできている人は
かかとが浮き、小指が床につくでしょう。
また、膝小僧もしっかり横を向いているはずです。
一方
両足合わせて90度くらいしか開かず
がっかりした人もいるでしょう。
思ったより開かなかった、という人は
恐らく普段のレッスンで
無理矢理開いていた可能性があります。
本来、1番で立っているとき
このエクササイズで開いた角度以上は
開くべきではないんです。
今回のミニテストで分かった結果
それは
無理なくできる
「今のあなたのベスト」
です。
同じような事で、立った状態でバーを使っても
チェックする事が出来ます。
普段使っている高さのバーの前に
一歩離れて立ち、右脚を乗せます。
右の腰が前に出ないよう、左の腰と位置を揃えてください。
左右の腰、肩はまっすぐ平行で
軸足は無理のない程度に開きます。
まずこの時点で以上の事ができないようなら
バーを低くするか、
次のステップはやらないでください。
この状態で、バーに乗せている足をフレックスにし
リラックスした状態でそのままターンアウト。
小指がバーにつくとベストですが
あなたの小指とバーまでの距離はどのくらいですか?
5cm? 3cm・・・?
これが綺麗にできているなら
あなたのドゥヴァン(前)のタンジュは、きっと
かかとが上を向いた綺麗なタンジュでしょう。
自分の今の身体の状態を知らずに
または知っていながら後回しにして
ひねったりごまかしたりして足元だけ開く、
そんなレッスンを続けていると
上達からはどんどん離れていきます。
問題は、今開かない事ではなく
開かないままにしている事です。
アニメの決めゼリフみたいになってしまいましたが。
生まれつきの身体の条件はもちろんありますが
トレーニングで大きく改善する事は可能です。
まずは、自分の足りないところを認める。
そして基本のストレッチをさぼらないこと。
その上で、部分的なトレーニング+正しいレッスン。
このように
股関節の可動域を少しずつ広げる事が出来ます。
今回のミニテストで
自分のターンアウトの現状を知る事が出来ました。
無理をしないで少しずつ・・・
と良い感じに終わりたいところですが
レッスンに行けば、きっと今日も
「1番もっと開きなさい!」
と言われるでしょう。
もしあなたの先生から
ターンアウトについて
なぜ、どのようにという説明が無く
条件が良い人も悪い人も関係なく
「とにかく開け」としか言われないのであれば
ちょっと先生に問題ありかもです。
将来、留学やプロを目指すのであれば
今から、きちんと基礎が学べる
スタジオを探す事はとても大切です。
けれど、なんでもかんでも
周りのせいにしてばかりはいられません。
あなたが今どんな環境にいようとも
自分の時間にコツコツと
足りないところのストレッチや
トレーニングをしていくしか
上達の近道はありません。
次の章では、
ターンアウトのトレーニング方法をご紹介します。
今回のミニテスト、
是非お友達ともやってみてくださいね。
それでは。