スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

踊っている時に無表情な人、作り笑いの人

もっと笑顔!

お顔つけて!

 

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レッスン中やコンクールの練習で
先生がスタジオで叫ぶ声が聞こえます。

 

大好きなバレエのはずなのに
言われないと笑顔ができないなんて
良く考えるとちょっとおかしな話ですよね。

 

 
一方で
すごく上手なわけではないんだけど
なんとなく目が行ってしまう
なんか気になって見ちゃうんだよね
というオーラを持った人って時々いませんか?

このようなタイプの人たちは恐らく
「笑顔は?」といちいち先生に言われなくても
人を惹きつける表情とオーラが
踊り出すと自然に出てくるのでしょう。

 


では、
こういった人たちと何が違うのか?
何故踊っている時に無表情になってしまうのか。。。

原因をいくつか考えてみましたので
自分に当てはまるパターンが無いか考えてみましょう。

 

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①レッスン中に気を付ける事が多すぎて
無意識のうちに眉間にシワが寄り怖い顔になっている
自習の時間を利用し、自分の時間に身体と向き合いましょう。
レッスン中に音楽が流れている時は頭を切り替え
表現力や音楽性にも意識を向けてみましょう。

 

②思春期などで先生や親に反発したい気持ちがある
無理にイライラを抑えようとせず
周りに感謝できる点を探してみましょう。


③太ってしまい身体が重く、思うように動かせずもどかしい
素敵なレオタードやウェアを買って
「いつかこれが似合う体型になってやる!」と決め動きまくる。


④「楽しい」という気持ちを表現するのが恥ずかしい
他人は自分が思っているほどあなたの事なんて見ていません。
みんなそれぞれ「自分がどう思われているか」を気にしているからです。
だから周りの事はそんなに気にしなくても大丈夫。
思いっきり自己表現・ストレスを発散できる貴重な場がレッスン場です。
それを思い出しましょう。


⑤踊りに自信が持てない、自分は下手だと思う
鏡に映る自分の姿が好きになれない
人に見られるのが恥ずかしい
自分のコンプレックスや欠点を「落ち込む理由」にするのではなく
「頑張る燃料」に変えていきましょう。
一度悪いところを忘れてがむしゃらに3カ月も頑張れば、
きっと鏡に映る自分の身体も表情も違ってくるはず。
それに、人はそれぞれ「自分はどう見られているか」を気にしています。
他人はあなたが心配するほどあなたの事は見ていません。
周りはなるべく気にしない練習もしてみましょう。



⑥先生が怖い・苦手・合っていないと感じる
レッスンの雰囲気が和やか・好きではない
厳しい環境の方が頑張れるドMの人もいれば
当然そうでない人もいます。
趣味で楽しくワイワイやりたいのか
留学を目指したいのか、などによっても
スタジオを見直してみましょう。
自分に合った指導者を探す事は非常に大切です。



⑦怪我をしている、体調が優れない
怪我や病気でバレエが思うように出来ない間は
出来る事に意識を向け、良い身体のリセットの機会だと思ってください。
ゴリゴリに疲労の溜まった筋肉や、直したい癖など
ほぐして1からやり直せるからです。
またその間に、本や動画や舞台を見て上達の研究をする事が出来ます。
自分の舞台動画を見て客観的にジャッジしてみたり
レッスンを見学して上手な人を観察したり、解剖学を勉強してみたり・・
工夫して視点を変えてみると案外悪い事だけではないものですよ。
ピンチをチャンスに変える力を付けましょう。


 

 

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いかがでしたか?

踊っている時に表情がついていない事実やその原因は
自分自身ではなかなか気付かないので直しにくいものです。
「なんとなく調子が悪いだけかな」と
はっきりした理由も分からず悩んでいた方も多いかもしれません。
この中に何か、自分に当てはまる(近い)ものは合ったでしょうか?
1つと言わず、複数原因がある人もいるでしょう。

原因が分かれば、それに向き合い
克服できるように意識する事が出来ますね。
障害物を除けば、きっと自然な笑顔で踊れるはずです。

 

 

 

 

 

 

・・・反対に


最近は作り笑顔が癖になってしまった
悲しい
学生が増えてきているとも感じます。
心から踊りを楽しんでいる笑顔というわけではなく
先生の期待に応えようと作る優等生顔
とでもいいましょうか。

 

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コンクールなどで舞台慣れした現代っ子に多いかもしれません。
表情も筋肉なので、いつもそうやって稽古しているために
筋肉がそのまま固まってしまったのだと思います。
これに日本式の派手な舞台メイクが乗っかると更に怖いんです。
どんどん西洋の美しいバレエから離れていきます。

 


曲のイメージやキャラクター
物語の背景に関係なく、どの曲を踊っても同じ顔
お面を被ったように
とりあえず口角は上がっているのですが
表面だけの固まった顔なので不自然なんです。。
無理に笑おうとして引きつっている人もいます。
「目が笑っていない」と言ったら分かりやすいでしょうか。
特に小さい子供がすでにこの状態で踊っているのを見るのは
正直恐ろしいです。
先生に言われた事だけやるロボットのようで・・・


子供なら子供らしく、
学生なら学生らしいフレッシュな笑顔で
心からバレエを楽しむ顔が見れると
健康的で微笑ましいのですが


「先生に褒められたい」
「笑顔は頑張って作るもの」
「コンクールで賞を取りたいから・・・」
という強制的な表情は、客席から見ていてすぐ偽物だとわかるものです。
素直な笑顔というのは
素人・プロ関係なく、
見ているほうまで自然と楽しく、嬉しくなってくるものだと思います。
ダンスはエンターテイメント、芸術。
本来そうあるべきものですよね。

 

 

曲が流れて踊り出すと、楽しく思わず笑顔になる。
他人を惹きつける何か光るものがある。
これは、才能です。
でも、きっと本人が気付いていないだけで
人間は誰もが持っているものだと思うんです。

 


心から楽しめる趣味や、熱中できる何かと出会えた事は
とても素敵な事だと思います。
是非その気持ちを大切にしてください。


指導者はその大切な気持ちを
押し殺さない様な指導をしてください。
なかなか表情が出せない子には
感情が開放できるように引き出してあげてください。

 

 

それでは。