スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

土踏まずとふくらはぎを鍛えるエクササイズ

前章 バレエダンサーの身体の条件 【つま先と甲】

balletblog.hatenablog.com


は読んでいただけたでしょうか?


美しいトゥシューズの立ち方に必要なのは
甲の柔らかさだけではありません。
トゥシューズで立つ」という事は
身体の全体重がつま先に乗るという事ですから

この状態で踊ることを可能にするには
土踏まず、足首、ふくらはぎ、腹筋・背筋など
様々な筋肉による引き上げのサポートが必要です。

 

そこでこの章では、綺麗なつま先と甲を支える
丈夫な足元を作るエクササイズをご紹介します。

 

 

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では始めましょう。

 


まず裸足で6番ポジションに立ってバーを持ち
脚の内側をぴったりくっつけて
足の裏全体でしっかり床を押して立ちます。
今にもルルべに引き上がりそうなくらい
身体を引き上げましょう。
肩は下げ、リラックスした状態です。


では実際にルルべに上がっていきます。

 

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とにかくゆっくり
ドMになって、あえて辛い所をしっかり通過しましょう。
ア・テールから止まることなく5秒かけて
一番高いルルべまで持っていくくらいのスピードです。


指の付け根にしっかり体重を乗せ
土踏まずとかかとをぐっと押し上げるイメージです。
土踏まずは90度(直角)になるまで出来ると良いですね。
かかとが床から遠い方が綺麗です。

 

しっかりルルべに乗り切ったら
今度はア・テールまでかかとをおろします。
また5秒かけて丁寧に行いましょう。
この時膝が緩まないように気を付けます。
これを10セット繰り返しましょう。

 

このエクササイズによって
土踏まずが引き上がり、
ふくらはぎの筋肉も鍛えることができます。
目を閉じて行うと、より軸が感じやすくなりますよ。

 

 

→ バーを持って安定して出来るようになったら
今度はバーから一歩離れ、手は腰の状態でやってみます。

→さらにそれも出来るようになったら
片脚をク・ドゥ・ピエ(ターンアウトの必要はない)にして
軸脚が片脚のみの状態でやってみましょう。
バランスも必要になるので
より軸を意識しながら行います。

 

もちろん全て
プリエや勢いは使ってはいけません
膝は常にしっかりと伸びた状態で
ゆっくり&まっすぐ、ア・テールとルルべを繰り返します。

 

 

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これがスムーズに上げ下げ出来るようになると
アダージオやイタリアン・フェッテなど
片脚で踏ん張らないといけない時に
脚が強くなった事を実感できるでしょう。
それは、足の裏で床を掴む力がつき、
ふくらはぎや土踏まずが引き上がったからです。

 

 

 

さらに
→ここまで出来るようになったら今度はまたバーに戻り
トゥシューズを履いて最初からやってみましょう。


今度はドゥミ・ポワントを通過し、
ポワントまでゆっくり自力で上がってみましょう
プリエから一気にスッシュー(スッスー)するのではありません。
膝を曲げたり勢いを使ってはいけません。
かなりの足の裏の強さが必要になります。

 

ですがこれはかなり上級なので
まずは、履きつぶして捨てる直前のトゥシューズで行うのが良いでしょう。


柔らかくなったトゥシューズ
ポワントに立って踊る事はできなくても
中敷きが柔らかく良い感じにしなるので
足の裏を鍛える良いアイテムになるんです。

足の裏でしっかりインソールを掴めないと
隙間ができてパカパカ状態になり
これでは上手くトゥシューズがコントロールできません。
またポワントに立った時
足がプラットフォーム(つま先側)の方にずるずると滑るので
土踏まずのアーチが低くなり、
かかとの布部分が余ってしまいラインが美しくありません。


これまでの地味なエクササイズの意味や効果が
段々と分かっていただけたでしょうか?



これらのエクササイズで
足の裏、土踏まず、ふくらはぎ、
軸足全体がかなり鍛えられますので
是非やってみてくださいね。

 

 

 

 

ここで2つ注意点

まず、善し悪しの判断がつかない学生、
自分のやり方が正しいか不安な人は
必ず先生の指導の元行ってください
このブログを見ただけで自己流で行うのは危険です。

 

そして
何度も同じシンプルな動きを繰り返すこのようなエクササイズは
一度目標を失い、とりあえずだらだらと続けると
間違った癖がつくのでやっかいです。


一回一回高い意識を持って出来ないのなら、
座ってテレビを見ていた方がマシです

量より質を大切にという気持ちを持って
丁寧にやって
ください。

 


片足15回ずつでも良いので、毎日コツコツ丁寧にやれば
きっと綺麗な脚のラインが出てくるでしょう。
レッスンの前後など、場所を取らず出来るので
時間を見つけて集中して行ってみてください。

 

 

 

 

 

それでは。