スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

バレエ芸人の松浦さんが批判されている件について

私、以前から松浦さんの動画は拝見しておりました。
なかなか的を得ていて面白いですよね。


芸人としても新しいし、
バレエ界からの目線から見ても新しい。
むしろこういうのをパイオニアっていうのだと思います。
と言うとちょっと大げさかもしれないけれど、
人が今までやってこなかった事をするから叩かれれるわけで
本人もそれを分かってやっているのだから
その覚悟も素晴らしいと思います。



松浦さんの動画のコメントなんかを見ていると
バレエをあまり知らない一般の方もいらっしゃって
日々バレエを広めるために頑張っているのだなと感心しています。



前にこのブログでもお話ししていますが
バレエ界ってどこかいじりづらく、だからメディアにも取り上げられない。
だから話題にもならないし、関係者以外なかなか舞台を見に行こうと思わない。

松浦さん以外にも、多くのダンサーやバレエ関係者が
バレエを多くの人に知ってもらおうとYoutuberとして活躍しています。


バレエ関係者にしか分からない用語を並べて何か正論を言ってるよりも
面白おかしく、多少バラエティの要素を含まないと
一般には浸透しないのだなと、しみじみ感じてしまいますね。


だから松浦さんの活動は、一視聴者として応援しておりました。
この注目されたタイミングで出版・・・すごい。

 

 

 

 

 

さて、今回話題になっていたのは
松浦さんが行った講習会に対して
「芸人なのにバレエを教えるな」などという批判があったそうで。

 

それに対する私の意見はシンプル。

①受けたい人がそのお金をどう使おうとその人の勝手


②そんな事言ったら日本のバレエの先生なんてほとんど偽物



松浦さんに教える資格が無いのだとしたら
日本のバレエ教室のほとんどが
早急に教室をたたまないといけなくなります。
だってプロとして踊ったことがないのに
一丁前にお教室持っている人なんて珍しくとも何ともありません。
資格なんてなくても誰でもお教室が開けるんです。

「どういう意味?」という方は
私の過去の関連記事も是非読んでみてください。

バレエを知らない指導者、バレエしか知らない指導者 - スワニルダのバレエライフ blog

良いバレエ教室・指導者の見極め方 (保護者向け)① - スワニルダのバレエライフ blog

 

 

 

 

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問題となった講習会の雰囲気も見せて頂きましたが
どう見ても
松浦さんのファン、バレエが大好き、楽しく身体を動かしたい!
という人の集まりではないですか。
プロ育成コースを唄っているわけでも、何かの詐欺とかでもない。
Youtuberがバレエ界を盛り上げるために行った
イベント・企画にしか見えないのですが。

先ほど述べた、理由①と重複しますが
受けたくない人は受けなきゃいいだけのこと。そうですよね。

 

 


アンチコメントをした人というのは
成功している松浦さんを見て悔しかったのだと思います。
自分にはそんな知名度も集客力もない。
それを認めた上でのひがみコメントでしょう。

 

あとは、
「高貴なバレエのイメージを崩しやがって」
と思った人もいるかもしれませんが
それはヨーロッパやロシアのお話しかと。。。

公務員として国の伝統芸術を守り
安定した給与を得て生活している海外のバレエダンサー達と
赤字になりながらも「バレエ団所属」にしがみつく日本の自称ダンサー達とは
バレエの質・レベルがまるで違うんですよ。



参考記事

日本に多い「自称ダンサー・実はフリーター」① - スワニルダのバレエライフ blog

ギャラが支払われない舞台に出たがる日本人 - スワニルダのバレエライフ blog

 

 

だから、松浦さんみたいに発信する力のある人が
日本のバレエ界には必要だと思っています。


自分達からガンガン宣伝するなんて下品だ、
と思って受け身でいる限り
日本のバレエ界は変わらないと思います。

 

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では最後に、今回一番言いたかったことを書きますね。



松浦さんの踊りのレベルが
たとえ日本のバレエ団に入れるレベルで無かったとしても

どっかのプリンシパルより人呼べるでしょ。

(とうとう核心に触れてしまった感)

 



そこで
松浦さん主役でドンキ全幕なんてどうでしょうか?


これに賛成しないバレエ関係者は関わらなきゃいいだけですから
誰にも迷惑かけません。
そういう人は見に来なくて全然良くて
経済を回すためにも、対象は一般客です。

ターンアウト?ポジション?そんな事は良く分からないけど
とにかく松浦さんを見に行きたい!この人面白いよね!
という一般のお客様が多ければ、たちまち席は埋まり

一緒に出演するコールドのダンサーにも
チケット負担させることなく出演料が支払えるのではないでしょうか?

バレエなんて見たことない!といった一般のお客様にとっては
本格的すぎるバレエよりも
少し敷居が低くて見に行きやすい
ストーリー性があって普通に娯楽として楽しめる
そんな、もっと気軽に見に行ける
バレエの方が需要があると思いませんか?

 

バレエはお芝居でもありますから
特にドンキなんかだと、少し吉本ならではのアレンジを加えて
キトリにもコメディの要素を取り入れることが出来るかもしれません。
面白い部分と、シリアスな場面を演じ分けることが出来
もちろんコールドさんも頑張ってバレエの技術もしっかり見せる。
このようなメリハリがあればお客さんも寝ないでしょう・・・



「綺麗だった」「感動した」
(技術的な事や話の内容は良く分からないけど・・・)
ではなく、

一般の方に
「素直に面白かった!!!」っ言ってもらえたら
きっと口コミも広がると思います。

 

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残念ながら
ヨーロッパのバレエの真似事をしても日本では上手くいきません。
何故なら、文化も教育も歴史も違うからです。

バレエの敷居をいくら高く見せたところで
蓋を開けてみれば客が入っていない
ダンサーは赤字、なのだから
見栄を張っている場合ではありませんよ。
国内のバレエ団ディレクターさんがた!

新しいことに挑戦すると
今回の松浦さんのようにたたかれるでしょう。

でも、より一般にバレエを広め
出演する全てのダンサーに、チケット負担無く
安定した給料を支払うことを優先に考えたら
きっとすべき行動は変わってくるかと。

 

 

 

 

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実はわたしはむしろ
コロナの今、大人数講習会やっちゃう?
とそっちの方が気になりましたが。。。

 

 

 

以上私の感想でした。

 

それでは。

 

外反母趾(がいはんぼし)になっていませんか?


一般的に外反母趾(がいはんぼし)は
ハイヒールを履く女性に多く見られる症状だと言います。
かかとが高く、つま先部分が前方にずれ込んでいるので
親指に体重や負荷がかかるのでしょう。



つまり、これはバレエで言うと
どういうことなのでしょうか・・・?


ここでは私の
「ダンサーとしての経験談」を交えながら
足のケア方法について一緒に考えていきましょう。

 

 

外反母趾を甘く見ない

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外反母趾がひどくなってしまう大きな原因の1つに
「そもそもの立ち方が間違っている」
ということが挙げられると思います。

最初にお話ししたハイヒールの話し。
あれに似たようなことが
バレエのレッスン中に起こっていると言うことになります。

 



つまり
親指の付け根にねじれた力がかかりやすい
状態になると、外反母趾になるリスクが高まります。



外反母趾について話すのは今回が初めてですが
立ち方については他の章でも何度もお話ししていますので
ここで簡単におさらいです。
ねじれた(間違った)力というのは

股関節からきちんとターンアウトが出来ていないのに
レッスンで「開け、開け」と言われるので
とりあえず膝や足元をねじって
無理矢理5番ポジションに入れ込む。
こんな光景は日本ではもはや当たり前になってきています。

 


見るからに身体に悪そうなこの立ち方。
このようなレッスンを繰り返していても
いいことは1つもないのですが・・・
残念ながら
こういう事はすっ飛ばして
バリエーションばかりさせるのが
日本のバレエ教室の実態です。


・・・というのは今日は置いといて・・・
つまりこうしたレッスンの結果の1つが
外反母趾となって現れる
というわけです。


このような、日々の積み重ねにより
小さなねじれが後に大きな怪我に繋がることも。
身体の危険サインは見逃さないで。

 

 

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サポートグッズ

 

じゃあスワニルダは出来ていたのか、と聞かれると
実は私も学生時代、一番練習していた頃
外反母趾に悩まされた時期がありました。

周りにはもっとひどい子もいたので
それに比べると・・・という感じで
病院に行くほどではありませんでしたが
結構、痛いんですよね。

 

それでわたしは無難に
ドラッグストアで買えるようなグッズを使っていました。


 

 

単純に、親指がパカッと開くと
気持ちがいいんですよね。
なのでこれは面倒臭がらずに
レッスン後のケアとして毎日続けられていました。

おすすめは、親指がしっかり開くもの。
伸びてる~!という感覚があり
最初は少し痛いくらいで十分かもしれません。

外反母趾は特に痛くないよ
という人は


 

このくらいでも良いでしょう。
足指のマニキュアをするときに使うものです。

要は
バレエシューズやトゥシューズの中で
足はギュウギュウに押しつぶされているわけなので
シューズを脱いだら
指と指との間隔を少し開けてあげると
リフレッシュにもなります。

 

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ただし
これらはあくまでサポートグッズにすぎません。
根本の原因から解決しない限り
外反母趾は治りません。


まずはレッスンで正しく立つことから
見直してみましょう。
関連のおすすめ記事はこちら。

立ち方を見直すエクササイズとおすすめグッズ - スワニルダのバレエライフ blog

問題は、今開かない事ではなく 開かないままにしている事。 - スワニルダのバレエライフ blog

 

 

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トゥシューズによる外反母趾の悪化

 

冷静に考えてみれば
トゥシューズというのは、とても不自然なポジション。
ハイヒールどころではありません。
つま先に負荷がかかって当然です。

ただし、トゥシューズという憧れのシューズで
優雅に踊る事を可能にするために
毎日のレッスンで必要な筋力を作っていくのがバレエです。



つま先に全体重をかけ
ひっかけて立っているようでは
全ての負担をつま先が負うことになります。

そうではなく、まずは
甲を伸ばし、トゥシューズでまっすぐ立つこと。
そして
土踏まず(足の裏)、足首、ふくらはぎ、腹筋など
全身で身体を引き上げることが不可欠です。


過去のブログで詳しく書いていますので
是非併せて読んでみてください。

 

 

アフターケア 


最後に簡単にアフターケアについて。


・・・つまり外反母趾
親指の関節に強い負担がかかり炎症を起こしているので
レッスン後のケアとしては、アイシングが良いです。


また、酷使(こくし)した甲や指先は
お風呂に入りながらマッサージもおすすめ。
やはり身体で一番負荷のかかる部分ですから
しっかりほぐして広げてあげましょう。

骨がかなり出てきてしまっていたり
赤くなってトゥシューズに触れるだけでも痛いという場合は
早めに接骨院へ行って診てもらいましょう。


予防やケアの1つとしてなら
先ほど紹介したような、手軽に手に入る
サポートアイテムなども活用してみてくださいね。


 

 

 

それでは。

 

なぜ日本人はコンテンポラリーが苦手なのか

今回は「何故日本人はコンテが苦手な人が多いのか」
についてお話ししたいと思います。

コンテンポラリーダンスが上手になりたい!
という方は、何かのヒントになるかもしれません。

 

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①周りを気にする日本人

外国人は、レッスン中でもなんでも
「質問がある人ー?」と聞くと必ず数人が手を挙げます。
「さっきのここもう一回見せてください」
「ここは顔をこう後ろに残す感じですか?」
など、
自分の意見をしっかりと言ってくれるので
教える側としても
どこが分かりにくかったかをすぐに把握することができ
リハーサルを円滑に進めることができます。

 

しかし
他人任せでなかなか自分の意見を言わないのが日本人です。
心の中で
「あそこ分かんないんだけど、誰か聞いてよー」と思っています。
口数が少ない方が、日本では美徳とされてきたからです。


私も日本人ですし、学生の頃は同じでしたから気持ちは分かります。
先生に「もう2回も説明したのに聞いてなかったの?」
と思われたらどうしよう・・・とか
「最初パッセはカウント5って言ってたのに、さっき6って言ってた。
どっちだろ・・でも先生の間違いを指摘するなんて、嫌われるかも・・」


そんなことばかり考えては、結局何も聞けず
自信もないのでどんどん後ろの方に追いやられていきます。



しかし、ライバルに交じってレッスンするのであれば
そこでもじもじしていては、ますます差をつけられてしまいます。

分からないことが恥ずかしいのではありません。
何が分からないのかすら分からない、
分からない事をそのままにしてしまう事の方が恥ずかしいのです。

私は、周りを気にしてしまう、こういった日本人特有の考え方も
コンテンポラリーの上達の邪魔をしているのではないか、と思っています。



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②優等生な日本人


留学先で、先生に言われた事が器用に出来る優等生は大体日本人。
逆を返せば、指示がないと何をしていいか分からない・・
これも典型的な日本人です。

先生が「スライムになった気持ちで自由に表現して!」
と急に言い出したらどうでしょうか?
「自由に踊っていいの!?やったー!」と思ってすぐに動き出せるでしょうか?
それとも尻込みしてしまう?

 

バレエはきっちりポジションが決まっていて、それぞれに名前がついています。
ルールもあるし、典型的な流れもあります。
例えば、鼻の先に手を伸ばすアロンジェは、必ずアンナヴァンを通ります。
脚はいきなりどこかから生えてきません。
バットマン、もしくはパッセを通過してデブロッぺ
などという「型」があるわけです。

けれどコンテンポラリーの正解は、それを振り付けた本人が持っています。
つまり、なんでもありです。
突然どこかから手が出てきても、振付家
「そうだ!素晴らしい!」といえば正解。
「うーんなんか違う」と言えば違うし、
昨日はいいと言ったのに、今日は違うと言うかもしれません。

コンテンポラリーダンスでは、振付家の意図を理解し、
「こんな感じ」と見せられた動きを
その時その時で上手にコピーする対応力が求められます。
型が決まっているバレエと大きく違うポイントの1つですね。

また、コンテンポラリーのクラスやリハーサルではよく
インプロビゼーションと言って、即興・アドリブとも言われますが
つまり、型にとらわれず自由に思うままに動いてみて!
という時間が必ずあります。

日本人の生徒を対象にコンテンポラリーのクラスをすると
ずっとくねくねした同じ動きしか繰り返せない子がとても多いです。
新しい動きを生み出す創造力が無く
どうしていいか分からず、思考が完全に停止している状態です。

 

 

日本人は、言われた事は真面目に出来る分
「自由にやって」と言われると急に思考が停止してしまうんです。

ここを克服して頭を柔らかくすることができれば
コンテンポラリーの習得速度は目に見えて上がるでしょう。
バレエのレッスンでも、言われたこと以上のこと
期待に応えられる何かを常に模索する姿勢も大切です。

もちろん、コンテには慣れも必要なので
積極的に様々なタイプの振付家のワークショップを受けてみましょう。


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③日本人の文化やルーツ

バレエはロシア人やヨーロッパの人々のために作られた踊り。
また、アメリカ人が小さい頃からブリトニースピアーズを見て育っている中
日本人は盆踊りの国です。
この時点で私が何を言いたいか、もうお分かりですね。

盆踊りでも日本舞踊でもいいですが
そもそもあまり激しく動かないですよね。
私は詳しくはないので大したことは言えませんが、
まず浴衣や着物を着ている時点で、脚が上げられないどころか
バレエに比べるとほとんど下半身の自由がないという事は分かります。

日本人はそういう文化で育ってきているので
アフリカ人や欧米人の様に、アップテンポの曲に合わせて
身体を大きく自由に動かしながら、リズムを刻むというのが
なかなか本能的に無いのかな、と思っています。
簡単に言うと、ノリが悪いんですよね。


海外に留学すると、必ずクラブなどにも誘われます。
若者が集まって、爆音でお酒を飲み踊り狂う、あのクラブです。
ここで棒立ちしているだけではなく「これもバレエのためだ」と思うと
案外良い訓練になったりもします。(経験者は語る)

こう考えると
留学前から、バレエと並行して
リズム感や感性、表現力を養う他のジャンルのダンスを学んでもいいのかな
と思ったりもします。
もちろん、両方やることによってバレエがめちゃめちゃになる危険性もあります(笑)


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コンテンポラリーコンテンポラリーダンスを習得するには
これらの日本人特有の考え方や恥ずかしさを一度取っぱらう必要があります。

また、②でも言いましたが、もちろん慣れも必要です。
初めてのクラスより、10回目のクラスの方が居心地が良いに決まっていますよね。

振付家ごとにスタイルも雰囲気も全く違うので、
是非いろいろなワークショップに参加してみるのがおすすめ。
段々とコツが掴めてきて「コンテって楽しい!」と思えたらこっちのものです。

まずは「早く上手にならなきゃ」と思うより
苦手意識を克服し、楽しみながらトレーニングすることを目指してみましょう。

 

 

今後留学やカンパニーを目指す方は特に
コンテのテクニックは必須です。
バレエの基礎がしっかり固まったら(頭は固めずに)
中学生くらいからコンテに慣れておくと良いと思いますよ。
頑張ってください。



 

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それでは。

 

大人からバレエを始めた人の気持ち

人の気持ちや痛みって
それを経験したことのある人でないと
なかなか共感したり、理解をするのは難しいです。

出産の痛みは、出産したことのある人
宝くじに当たった喜びは宝くじに当たったことのある人
パリでエッフェル塔を見た感動は実際に行ったことのある人
にしか分かりません。



それと同じように私も日々悩んでいるのが
「大人からバレエを始めた人の気持ちが分からない」
です。

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これは、
たとえ長年大人のクラスを教えていても

自身が子供の頃からバレエをやってきて
その後プロの厳しい環境で踊ってきたような人であれば

本当の意味で「大人からバレエを始めた人の気持ち」を
理解をするのは難しいと思っています。
だって自分は経験したことないんですから。

 

どうしてできないんだろう?
何がひっかかっているんだろう?


もちろん決して馬鹿にしてるとかではなく。
これは子供の頃からやっていないと難しいんだろうな
ということまでは分かるのですが、
どのように伝えたら伝わるのか?
指導となるととても難しいのです。

 

ご本人たちから聞いた話しや
クラスを見ていて思う事は
やっぱりバレエって
いかに正しい「クセ」をつけられるか
ということです。


まだ身体が柔らかいうちに
強制的にバレエのポジションを身体に染み込ませ
その状態をいかに筋肉に覚えさせることができるか
にかかっています。

 

子供の頃からバレエをやっている人は
知らず知らずのうちに身体がバレエ仕様になっていき
それが当たり前になっていきます。
これが強いんですよね。

大人からバレエを始めた人が
なかなか超えられない大きな壁になります。

 

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ちなみに、いつも私のブログを読んでくださっている人は
すでにお気付きかと思いますが
私は真剣にバレエをやってきたので、
そうでない人を見るとどうしても辛口になってしまうんです。

つまり、この章で私が話している
「子供の頃からバレエをやっていて
大人からバレエを始めた人の気持ちが分からない人」
というのは、

たとえバレエ歴10年以上であっても
趣味の週2回で、特に厳しいレッスンを経験せず
未だ甲もないし、膝も曲がったままの人の事ではありません。



つま先を伸ばすことは当たり前
伸ばさないと気持ち悪い
足を一歩出すのも常にかかとから
そんなの当たり前。

という人以外は、
例え3歳からバレエをやっていても
ほとんど一般の方に近いと思っています。
身体に正しいバレエのクセがつかなかったのですから。


だから、一概に
「子供の頃からバレエをやっていた」
というのは厳密に言うと間違いで

「本人にやる気があり、とても厳しい環境で良い指導者から教わっていた人」
と言った方が正しいですね。


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私は、バレエをやっていない知り合いに
「色んな曲踊ってて、振付忘れないの?」
と聞かれてびっくりした事がありました。
「言われてみれば・・・・」と思ったのです。


音楽と振付は常にセットですから
リハーサルを繰り返しているうちに
両方が同時に身体に染み込んでいきます。
なので、頭で考えるというよりは
「身体が勝手に反応」という感じで
ある程度踊り込んでからは
間違える方が難しいですよね。

この感覚はバレエに限らず「ダンス」をやっていない人には
なかなか不思議な現象かもしれませんね。

 

他にも「つま先で立って痛くないの?」
とかまあいろいろ聞かれますが
子供の頃からやっていると、何の疑問も持たず
それが「当たり前」状態となってしまうので
はやり「洗脳(?)」という要素も大きいかもしれません。


最初で述べたように
それを体験していない人の気持ちは分かりませんから
同じバレエをやっている人でも様々。
バレエをやっている=誰にでもバレエが教えられる
ではないというのが私の考えです。

そんなこんなで
私が大人クラスを教えるのはどうかな~と思うわけです。

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ターンアウトが生まれつき完璧で
すでに美しいつま先を持って生まれてきた外国人の方は
条件の悪い日本人の気持ちや苦労は分かりません。

私たちだって、生まれつき条件の良い人たちの気持ちはわかりませんよね。
「楽に出来ていいね」とか「さぞかし気持ちいいだろうな」
くらいでしかありません。



だから海外のバレエ学校の先生は
自分達と同じような条件の生徒をオーディションで選ぶわけです。
ターンアウト、つま先、柔軟性、体型、才能など
全てクリアした人のみが入学でき、
かつて同じように選ばれダンサーになった指導者に師事します。
同じようにエリートコースに進めば、
プロになる可能性が非常に高いからです。

このような海外の指導者が
日本人のように、ターンアウトも不十分
膝も伸びないし足も短いし・・という生徒を教えるのは難しく
本当の意味で生徒達の気持ちになり、
身体の条件をしっかり把握したうえで教えるというのは
なかなか難しいと思います。


こう考えると
大人からバレエを始めた方は
同じく大人からバレエを始めて既にベテラン、という方や
小さい頃に少しかじっていて再開しました、という方に教わるほうが
気持ちが理解してもらえる分、教わりやすいと思います。


ただ、本場の方に教えてもらいたい!
という気持ちももちろんあると思います。
同じ空間で雰囲気やオーラを感じるだけでも
モチベーションになりますよね。
時には講習会やイベントなどで
そのような機会があれば参加してみるのも良いと思います。


が、普段のレッスンでは、見た目の華やかさだけではなく
なるべくあなたの気持ちや苦労を理解してもらえる先生
大人からバレエを始めた方だからこその踊り方・考え方
身体との向き合い方を教わる方が、ためになると思います。




大人からバレエを始めた方を教える時は
ヒアリングをして、一人一人により添えるような
レッスンを心がけたいですね。

 

 

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それでは。

 

 

真似が上手い人はバレエの上達も早い

上手な人の特徴をとらえて
良いところだけをどんどん吸収できる人というのは
いわゆる「器用な人」「カンが鋭い人」
「センスが良い人」なんて言われます。

たしかに真似が上手い人というのは
その人の特徴を捉えるのが得意という事ですから
なんでも上達が早いと思っています。

 

バレエだって真似が基本。
すでにある「型」を、1つ1つ習得していくのです。
そしてそれを継承していくために「先生」という存在がいます。

 

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バレエで上手な人を真似をするには
①自分を客観的に見て、ダメなところに向き合える
②理想の人の動きを分析し、自分と比較できる
③自分の身体を思うようにコントロールできる

というのが前提になります。

 

まず①ですが、
自分を客観的に見るということはとても難しいことです。
誰だって自分が踊っている時に、同時に自分を見る事は出来ません。

発表会やコンクールで
自分が過去に踊った映像なら何度も見ていると思いますが
「あ、ここのつま先気をつけよ」とあとで思っても
なかなかそんな簡単には直せないものです。
つま先を「伸ばそう」と思っただけで本当に伸ばせたら苦労は無いです。

自分を客観的に見てダメなところに向き合う、とは
誰が見ても気付く「あ、つま先」「あ、ここの手が変」
といった所どころの話しではなくて
全体の自分のクセや、踊り方の特徴を考えてみてほしいという事です。
だって、つま先が伸びていないのはどこか1ヶ所だけではないはずで
根本的につま先が伸びていないんです。

また、
自分が頭の中で思い描いていることと
実際にやっている事にギャップがあると気付く事も大切です。


上達への第一歩は
自分ができていない事を自覚し、落ち込まずに認めることです。

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②は、理想の人の動きを分析し、自分と比較できる
です。


自分が理想とする人と一緒にレッスンができる環境の人はラッキーですが
そうでない人は、その人の映像など何度も見たことでしょう。
何故その人は綺麗なのでしょうか?どこがどうすごいのでしょうか?

例えば
幕から出てきた瞬間の華やかさ
アロンジェにしたときの、自然でふわっとした表情
レべランスの優雅さ・・などなど
その人の「雰囲気」なども真似してみましょう。

つま先がぶらぶらなのに、ここばかりやるのは良くないですが
その人になりきって、ひそかに家で練習してみるのも
良いトレーニングになります。

膝、つま先を伸ばす、もっとターンアウト
脚を長くする、顔を小さくする、背を伸ばしたい
などはすぐには変わりません。


ですが
意識や雰囲気、仕草、表情
ポール・ド・ブラ(腕の動かし方)
幕から一歩出てくる時、スムーズな回り込み方
レべランスからはけるまでの一連の動き など
これらは手っ取り早く真似がしやすいところなのです。

「こうやって右脚を細かく運ぶとスムーズに出来るんだ」
「自分と比べるとひじの使い方が柔らかいな」
「ここでしっかり目線を上げるだけでだいぶ印象が違うな」
など、「何故きれいだと思うのか」を具体的に探してみましょう。

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理想の人と自分の踊りを映像で比較したい時
同じ振付のヴァリエーションを使うととても分かりやすいです。

理想の人が踊っているヴァリエーションと同じ振付の曲を練習し
スタジオでいいので、自分の踊っている姿を撮影します。
全く同じ振付にすることで、嫌というほど、あらゆる場面で比較ができます。
タブレットなどの画面を横並びにし、同時に再生して見比べてみましょう。

自分が上手くいっていないところを
理想の人はどのように踊っているでしょうか?
一体何を変えれば近づけそうですか?

こういった作業にはたくさんの発見があり
自分の出来無さ加減に落ち込む以上に、ワクワクもすると思います。

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最後の③は
自分の身体を思うようにコントロールできる
でした。

①で自分の足りないところを客観的に見ることができ
②では、自分と理想の人の違いを具体的に探すことができました。
これら頭の中で考えたことを
③で実行に移し、改善しなければいけません。


脳で「目の前にあるペンを右手で取れ」
と命令すると、その通りに行動できますよね。
では何故つま先は言う事を聞いてくれないのでしょうか?

バレエは1秒の中でも、顔、指先、つま先、腰、肩・・・など
注意しなければいけない事が山ほどあるので
踊りながら全てを同時に考えることは不可能だと思います。

だからこそ、(つま先に関して言えば)
「足が床から離れたら反射的につま先が伸びる」
状態になるまで、訓練をしないといけないということになります。
指先も肩も腰も、あらゆる身体の部位がそうあるべきなのです。
これがバレエのレッスンの根底にあります。

話しを戻すと、つまり③というのは
ほとんどが「普段のレッスンの積み重ね」によるものです。
結局のところ、バレエはこの一言に尽きます。

「真似するだけで簡単に上手になる方法だって?」
と、期待してこのブログを読んで下さった方には申し訳ありません。
そんな楽な方法は残念ながら存在しません。


あくまでも
あなたがコツコツと積み上げてきた基礎の上に
観察力や応用力を重ねることで、メキメキと上達します。

 



バレエは、既に習ったパやステップの組み合わせにすぎません。
例え初めて習った曲でも、分解して冷静に考えてみると
パッセも知ってるし、トンべやシャッセも知っている。
全て既存のステップで、組み合わせが違うだけなのです。

だから
基礎がしっかりしていて、あとは応用する力があれば
何でも踊れるようになると思いませんか?

よって
「新しく黒鳥のヴァリエーションをもらったから1から練習だ!」
は少し違います。
すでにレッスンで、ピルエットもアティチュードも
シェネもデブロッぺも綺麗に出来ていれば
あとはそれらをスムーズに繋げ、キャラクター性を研究し
「1つの作品」としてまとめ上げる練習をするべきであって

「さてと、黒超でピルエットを練習しよう」
という姿勢は、少し違うというのがお分かり頂けるでしょうか?
あなたがまだこの段階にいるのなら、ただ単にレッスンが足りないので
ヴァリエーションより、必死にレッスンをした方が近道です。



「自分の身体を、理想の人の動きに近づけられるようにコントロールする」
つまり「真似が上手になる」の根底には、
まずあなたにしっかり基礎力があることが前提というわけです。

”上手な人”の良いところを吸収するため
常にアンテナを張っておきましょう。



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最後に大切な事を1つ。

 

理想の人の分析ができたら、是非外見だけでなく
その人のバレエに対する姿勢や努力も真似てほしいです。

あなたや他の人がその人に憧れるというのなら
その人はきっと、ただ綺麗なだけではないでしょう。
周りにちやほやされたり、舞台上の華やかなところでは無くて、
自主トレーニングの様子、稽古の姿勢こそ、真似るべきだと思います。

これは、上手な人、努力できる人、憧れる人が
同じ稽古場にいる環境で無いとなかなか叶わないですね。

もしかしたら人の見ていないところ
例えば食事がとてもストイックだったり
家でも特別なトレーニングを欠かさずやっていたり
内に秘めるバレエへの情熱やこだわりがあったり・・・

こうなるともはやプライベート事にはなってしまいますが
今はインスタグラムなどでも気軽に繋がる事も出来ますから
憧れの人の生活スタイルから、何か上達のヒントが得られるといいですね。
有名な人であれば雑誌のインタビューなども参考になるでしょう。

 

 

 

バレエに限らず、普段からなんでも
いいなと思ったことは素直に自分にも取り入れてみましょう。
そしてあなたも是非「上手な人を真似る」スキルを
習得する練習をしてみてください。

 

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それでは。

 

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めずらしく、おまけ。

 

ところで皆さんは

レッスン中に鏡越しに見る自分というのは、
自分が見たい自分しか見ていない、という事をご存知ですか?

「自分の太い足を毎日嫌というほど見ている」
と言う人もいるかもしれませんが
それはバーレッスンで鏡の前に立った時に
自分の姿が目に入ってくる時ですよね。
そういう話ではありません。


何かポーズの練習をしているとか
踊っていて顔が正面を向いた時
自分が得意な事をしている時、
それからキメ顔をしているときなんかに
人は無意識に鏡で自分の姿をチェックしています。


以前何かでモデルさんがおっしゃっていました。
「ポーズを決めている時に綺麗なのは当たり前。
誰も見ていない時、ふとしたときに素が出る。
それが汚いうちはまだダメ。

まさにバレエも同じだと思いました。

誰も見ていなくても、360度どこから見ても綺麗になれないと
「決めポーズだけやたら綺麗」という人になってしまいます。

無意識に流してやってしまっているところ
派手なテクニックじゃない、地味で細かいところ
思わず目をつむりたくなってしまうところ。
ありますよね。
そういうところほどしっかり目を開いて見て、改善していかなければ
そこはいつまでも汚いままです。

 

そこに向き合うことができれば
きっとあなたの踊りはまた一歩、上手になれると思います。


おまけのお話しでした。

 

 

 

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やる気がないのにレッスン場にいる子供

今回はかなり個人的なお話し。
私が毎回イライラするポイントについて。


それは、
バレエに真剣でない子供がレッスン場にいる事。
(コンクール会場でも何でも良いですが)
レッスンを受けたり、ヴァリエーションを踊っているのを見た時です。

身体の条件が良くないとか
初めて習うステップだから出来ないとか
もちろんそういう事ではありません。

 

膝も伸びていないし、動きにメリハリもない。
身体にまるで緊張感がない。
出来ていないのにやろうともしない。
目もふわーっとしてて集中できていない状態。

なんでレッスンしてるんだろう?
しっかり目が開けられないならば
帰ればいいのに。って思います。

このような、レッスン場にいる資格のない子が
普通にレッスンを受けているのを見ると
本当にびっくりします。

 

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もちろん、子供とはいえ一人の人間。
学校や家庭の事情で悩みを抱えていたり
ストレスから鬱(うつ)状態や自閉症気味になっており
気力がないのかもしれません。
そんなときに無理にやる気を出せと言っても逆効果です。

 



子供は自分からSOSを出せずにいたりします。
自分の状態を客観的に見て把握する事も難しいでしょう。
レッスン場での様子を見て
子供が精神的な問題を抱えていると感じた時は
親が忙しかったりするとそれに気付いていないこともあるので
まずは親に相談してみましょう。


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今の例の様に、精神的に問題を抱えているわけではなく
単にやる気がない、バレエを舐めている、という場合は
一体どうしたら良いのでしょうか。


そもそもレッスンは、お月謝を払えば誰でも受けていいのでしょうか?
スタジオの指導者からすると、生徒は客の立場ですが
客にも最低限のマナーというものがあり
それが守れない人にレッスン場に入る資格は無いと思います。


舐めた態度でレッスンされては、真剣にやりたい周りの子にも迷惑ですし
指導者の先生方には、そういう子を許してほしくないと思います。

なにより、やる気のない事を無理にやっても・・。
親に言われて仕方なく来ているのかもしれないですが
そんな無駄な時間を過ごしていては
本人のためにも良くないですよね。

 

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私は
身体の条件が悪かったり
不器用で新しいことがすぐに出来なくても
必死になってやっている子が好きです。
そういう子は教えがいがあります。


目がしっかり開いていて
頭をフル回転させて集中している。
注意されたことがすぐにできなくても
素直にアドバイスに耳を傾け
なんとか期待に応えようと
隅っこでずっと一人練習をしている。

正直、将来バレエの道に進むのは厳しいだろうな、という子でも
今、その子が真剣にバレエに向き合っているのなら、私は全力で指導します。


別に将来、バレエを仕事にしなくたっていいんです。
むしろ、日本でバレエで食べていくなんて難しいのですから。

「今自分はこれを頑張る」と決めたことをちゃんと頑張れたら、
きっとその後、勉強も仕事も頑張れる人になれると思う。
私はバレエを通してそんな人材を育てたいと思っています。

 

 

 

 

つまり何が言いたいのかというと
「膝が伸びないこと」が問題なのではありません。
本人に、伸ばそうという努力が見えないことが問題なのです。

そういう子に「膝を伸ばしなさい」と言っても意味はありません。
言うだけ無駄です。
だってやる気がないんだから仕方がありません。

 

もちろん、子供達がやる気になるよう工夫し
それぞれの能力を引き出せるように
上手く導いてあげるのが指導者の仕事です。
でも、同じクラスの大半に、ちゃんとやる気がある生徒がいるのであれば
やる気のない生徒のやる気の無さは、本人の自覚の問題です。


「頑張る気になったらレッスンにおいでね」
と言ってあげましょう。


それでやっと気が付く子もいるかもしれません。


 

 

今回の章は、だいぶ個人的な日常の感想になってしまいました。

先日は1日で600名以上の閲覧数がありました。
指導者の方、学生の方、保護者の方、いろいろな立場の方が
このブログを見てくださっていると思います。
立場により、考え方や捉え方は違うと思いますが
何か感想があればコメントで教えてくださいね。

 

それでは。

 

 

 

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問題は、今開かない事ではなく 開かないままにしている事。

ターンアウトとは
股関節を外に回して開く動きですが
これは力づくで行うものではありません。

日本のバレエ教室では
生徒のターンアウトが不十分であっても
日々のレッスンはどんどん進みます。


その状態で
「1番をもっと開きなさい」と注意する先生もいます。
それで、言われるがまま
足元だけ無理矢理開こうとするんですよね。


これによりお尻が出て
膝がねじれ、土踏まずが潰れる。
それを隠そうとさらに頑張り肩があがる・・・
こういう人本当に沢山います。

これ残念ながら、
頑張る所が違います。


このように、一度
「負のループ」に陥(おちい)ってしまうと
なかなか抜け出すのは難しいのです。

 

 

 

そこでこの章では、
この負のループを抜け出すきっかけの一歩になればと
「まずは自分のターンアウトの可動域を知ろう」
というテーマで、
簡単なミニテストをして頂きたいと思います。

 

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この写真はスワニルダ本人の足です。

私は匿名希望なので自分の写真は載せたくなかったのですが
「で書いてるお前はどうなんだよ」
と、読者のみなさんが疑問を抱くと
記事の説得力に欠けると思い自撮りをしました。
完璧ではありませんが
以下で説明するエクササイズの
参考として載せておきます。

 

 

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さて

ではまず床に座り、両脚を前に出します。

チェックポイント
-左右の肩と腰は平行に
-膝はしっかり伸す
-足首はフレックス(直角)に
-背筋を伸ばし、リラックス

 


この状態になったら
股関節からターンアウトしてみましょう。

注意点
-ももの外側に力をいれない
-どちらかのおしりが浮かない
-手で床を押さない


コツ
リラックスした状態で、
左右それぞれの股関節を
ぐるっと外に回す(開く)イメージ。



 

いかがでしょうか?
どのくらいの角度開けましたか?


股関節が柔らかく
ターンアウトがしっかりできている人は
かかとが浮き、小指が床につくでしょう。
また、膝小僧もしっかり横を向いているはずです。

 


一方
両足合わせて90度くらいしか開かず
がっかりした人もいるでしょう。

思ったより開かなかった、という人は
恐らく普段のレッスンで
無理矢理開いていた可能性があります。

本来、1番で立っているとき
このエクササイズで開いた角度以上は
開くべきではないんです。


今回のミニテストで分かった結果
それは
無理なくできる
「今のあなたのベスト」
です。



 

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同じような事で、立った状態でバーを使っても
チェックする事が出来ます。

普段使っている高さのバーの前に
一歩離れて立ち、右脚を乗せます。
右の腰が前に出ないよう、左の腰と位置を揃えてください。
左右の腰、肩はまっすぐ平行で
軸足は無理のない程度に開きます。

まずこの時点で以上の事ができないようなら
バーを低くするか、
次のステップはやらないでください。

この状態で、バーに乗せている足をフレックスにし
リラックスした状態でそのままターンアウト。
小指がバーにつくとベストですが
あなたの小指とバーまでの距離はどのくらいですか?
5cm? 3cm・・・?

 


これが綺麗にできているなら
あなたのドゥヴァン(前)のタンジュは、きっと
かかとが上を向いた綺麗なタンジュでしょう。


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自分の今の身体の状態を知らずに
または知っていながら後回しにして
ひねったりごまかしたりして足元だけ開く、
そんなレッスンを続けていると
上達からはどんどん離れていきます。

 

問題は、今開かない事ではなく
開かないままにしている事です。

アニメの決めゼリフみたいになってしまいましたが。

 

 

 

生まれつきの身体の条件はもちろんありますが
レーニングで大きく改善する事は可能です。

まずは、自分の足りないところを認める。
そして基本のストレッチをさぼらないこと。
その上で、部分的なトレーニング+正しいレッスン。
このように
股関節の可動域を少しずつ広げる事が出来ます。



今回のミニテストで
自分のターンアウトの現状を知る事が出来ました。
無理をしないで少しずつ・・・
と良い感じに終わりたいところですが


レッスンに行けば、きっと今日も
「1番もっと開きなさい!」
と言われるでしょう。


もしあなたの先生から
ターンアウトについて
なぜ、どのようにという説明が無く
条件が良い人も悪い人も関係なく
「とにかく開け」としか言われないのであれば
ちょっと先生に問題ありかもです。


将来、留学やプロを目指すのであれば
今から、きちんと基礎が学べる
スタジオを探す事はとても大切です。



けれど、なんでもかんでも
周りのせいにしてばかりはいられません。
あなたが今どんな環境にいようとも
自分の時間にコツコツと
足りないところのストレッチや
レーニングをしていくしか
上達の近道はありません。




次の章では、
ターンアウトのトレーニング方法をご紹介します。
今回のミニテスト、
是非お友達ともやってみてくださいね。

 

それでは。