スワニルダのバレエライフ blog

日々バレエに関わる中で思う事を、綴っています。時には辛口な表現もありますが、(特にバレエ関係者の人は少々傷付く覚悟を持って)お読み頂けると嬉しいです。

海外に行きたいなら、細かい事は気にしない

真剣にバレエをやっていれば
誰もが1度は海外に憧れるバレエ界。


その理由は前章のブログでもご紹介してきました。

 

 

今回は
「海外が合う人」「海外が合わない人」
の違いは何か、を考えてみました。


バレエに限らず
海外で生活する人には
共感できる事かと思います。

 

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国民性を表す、こんな面白いジョークがあります。


「海に飛び込んだらあなたはヒーローになれるよ」
と言うと、アメリカ人はガッツポーズをして海に飛び込む。

「あなたは素敵な紳士だ」
と言うと、イギリス人はうなずいて海に飛び込む。

「あなたは飛び込まなくてはならない、それがルールです」
と言うと、ドイツ人は納得して海に飛び込む。

「あなたは飛び込まなくていいんですか?他の人はみんな飛び込みましたよ」
と言うと、日本人は左右を見渡し慌てて海に飛び込む。

 

 

各国の特長が良く表されているジョークですね。


このジョークからも分かるように、
日本の社会・教育は
出る釘は打たれる
他人に迷惑をかけてはいけない
空気を読もう
みんなと同じであれば大丈夫

という感じでしょうか。

 

 

 

対して欧米諸国などの海外は
自分の意見をはっきりと主張する文化があります。
これは彼らにとって
私たちが納豆を食べるくらい
普通」の事なんです。

 

まずこの部分がそもそも違うため
特に今まで日本で普通に生活していて
初めて海外に行く人は
いろんな文化の壁を感じる事でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

私が留学している時、こんな事がありました。

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日本人2人組の友達が、同じくクラスメイトでアメリカ人の
Cちゃんの、とある態度(癖)に対し愚痴を言っていました。

 

そして日本人2人は、そのことを生徒指導員の先生
(生徒の健康や心のメンテナンスを担当する先生)に伝え
「こういう理由で困っている」と言いました。

 

 

 



その先生は、ある日
その日本人2人と
Cちゃんを同じ部屋に呼び出し、
「さあ、何か問題があるなら
ここで思っている事を
直接Cちゃんに伝えなさい」
と言いました。

 


こんなことになるとは
思っていなかった日本人2人は
しばらく黙り込んでしまったそうです。


それでも先生の助けもあり
やっと思っている事の
60%くらいが言えたといいます。


Cちゃんからすれば
「なんでもっと早く私に言ってくれなかったの?」
ですよね。
結果先生まで巻き込む事態になってしまったのですから。

 


日本人からすれば
「いやいや、
今までの雰囲気(少し避けていた等)とか
自分のやった事を思い返せば
誰だってこう思うのは当然でしょう。
あなたが早く気付けば
こんなことにならなかった。」

と思う人もいるかもしれません。

 

 


しかしCちゃんは彼女たちに言われるまで
他人が嫌な思いをしていると気付かなかったし
「何故私に言ってくれなかったのだろう」
と本気で理解していないようでした。

 

 

きっとこの日本人2人は
どうにか
自分たちが文句を言う悪人にならずに
先生に問題を解決してもらおう
と思っていたのでしょう。

また、これが1人だったら
きっと先生に言いに行く勇気すら
無かったかもしれません。
友達と一緒だからという安心感から
行動に移すことが出来たと言えます。

 

 

しかし
このような日本人らしい考えで
海外で生活するのは難しいでしょう。

 

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この逆もあります。


外国人の友達に
「私今部屋で映画見てるの。悪いんだけど
電話するなら外でしてもらえる?」

 

と言われたなら
これは至って普通の会話です。


あなたのことが嫌いだから言っているのでも
性格が悪いから言っているのでもありません。

 

日本人だったら
例え「うるさいなあ・・・」と思っても
余計な問題を起こすのも面倒なので
本人に直接言うことは避け
我慢を通す人も多いのではないでしょうか。

 

また彼らは、私たち日本人のように
申し訳なさそうに、遠まわしにソフトに言うことはせず
真顔でストレートに言ってくるかもしれません。
けれど彼らにはなんの悪気もないので
カチンとくる必要も落ち込む必要もありません


これは大ごとでもなんでも無く
ただ「事実を伝えているだけ」という感覚
なので

そこに感情とかは特にありません。

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大好きなバレエのためだったら
厳しい練習やリハーサルには耐えられる!
という人でも、


このように普段の生活の中での対人関係に
いちいち落ち込んでいると
メンタルがやられ
バレエに集中できなくなり
海外生活が続かなくなる人も
実は沢山います。

 

 

 

 

特に日本で学生をしていた時は
「先生に言われた事をやっていれば褒められた」
「先生に言われた事をやっていれば役がもらえた」

という感じで来てしまった人は、
いざ海外に来て
「何故私は頑張っているのに報われないの??」
と感じるかもしれません。

 

クラスメイトは練習をさぼっている。
私はちゃんと練習したのに
役をもらったのは派手なあの子・・・
なんで???

 

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しかしこれはプロの世界なら当然の事です。
ディレクターは
あなたが夜中まで一生懸命練習しようが


急に言われた事がその場で対応できなければ
肝心な時に怪我をすれば
舞台でその成果が出せなければ
客が喜ばなければ
チケットが売れなければ


役は与えられません。
昇格は出来ません。

そういう世界です。

 

 

 

 

もちろん
13歳、14歳はまだそんなこと
考えなくて良いでしょう。
純粋にバレエを好きな気持ちを大切に
辛い稽古にも耐えられる強い心や
基礎の強化に集中すべきです。

 

 

しかし
17歳~19歳となってくると
スクールでも最高学年の年齢です。


純粋さや真面目さだけではなく、
本番の強さや度胸
臨機応変に対応できる頭の回転の良さ
舞台映えや存在感、表現力
人を惹きつける魅力的な踊り
そしてもちろん
正確なテクニック
抜群の安定力


などが必要になってきます。


 

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 そしてタイトルにも書きましたが

海外を目指すなら
あまり細かい事は気にしない

ことです。

 

・・・と言っても
なかなかすぐに気持ちを切り替える事は
難しいですね。


ただ、
このブログで読んでいただいた事で
海外生活の中での心構えが少しでも変わり
日常で言われる事・起こる事に対して
ストレスをそのまま全身で受けるのではなく

 


ある程度
「まあこんなこともあるさ」
と、良い意味で流せるようになると
気持ちが楽になり
よりバレエに集中できるでしょう。

 

ダンサーである前に
まずは現地の生活に慣れ
なるべくストレスなく
普段の生活がきちんと
送れるようにならなければいけません


真面目な日本のバレエダンサーは
「私は遊びに来たんじゃない。
バレエをやりに来たんだ!」
と強く思うあまり


人とのコミュニケーションの大切さを軽視し
この大切な部分を見落としがちだったりします。

 

 

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しかし私から1点
特に10代で留学されている・したいと思っている方に
気を付けていただきたい事があります。

 

 


海外では、
自分を守ってくれる親もいない上
国にもよりますが、
早くて16歳からお酒を飲める国もあり
時にはクラブやパーティなど
飲酒や喫煙を含む遊び
に誘われる事もあるでしょう。

 

あなたは親のお金や協力、
日本にいる周りの人の支えや応援
あるいは企業などからの奨学金等を得て
海外までバレエを勉強しに来ているのですから
これ以上はダメだと思ったところでは
自分できちんとけじめをつけ
自分を守ること、NOと言える強さも大切です。

 

段々と慣れてくれば
自然とそういう人たちとは
関わらないようになったり、
どういう雰囲気のパーティかは
行くメンバーで予測出来たり
と、なんとなく分かってくるので
大丈夫なのですが

やはり慣れない海外
初めてパーティに誘われて嬉しい気持ちもあり
初回は「みんなもやってるのかな。
NOと言わない方がいいのかな・・・」
なんて自分が負けそうになることもあります。

そんなときは
日本で応援してくれている
家族や先生、仲間の事を
思い出してください。

 

このようにけじめをつけて
柔軟に対応することを忘れなければ、
自然と周りも
「この人はしっかり自分があって
正直に意見を言える人だ=信用できる人だ」
と認識してくれ、そうなれば
時々パーティを断ることがあったとしても
心配する事はありません。

そしてきっとあなたの留学生活は
より充実するでしょう。

 

 

 

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留学や仕事など
海外で上手く現地に馴染むには


語学をいち早く習得するのはもちろん
現地の人と触れ合い、習慣を学ぶことが
結果バレエに集中し、力を最大限に出せる
環境を作る近道・秘訣だったりします。

 

 

 

これから留学を考えている人
今まさに留学・海外生活をしている人

 

少しでもお役に立てば幸いです。

 

 

 

 

 

それでは。